5月の給料「手取り額」をみて驚かないための心構え【新社会人】
2017.04.08
4月に新社会人となった皆さま、毎日充実した日々を過ごされていると思います。
まだ慣れないこともあって、正直たいへんなことも多いことでしょう。
もしかしたら、「こんなことやりたくないなー」と折れそうになりながらも、「給料もらえるんだから、がんばろう!」と自分を奮起させている人もいるかもしれません。
たしかに、自分が社会人になったと実感できるのは、給料をもらったときだと思います。
「仕事をして、給料をもらって、そのお金で生活する」=「自立した社会人」って感じですよね。
給料の使い方も、稼いだ本人の自由です。
しかし、給料を無計画に使っていれば、生活費が足らなくなったり、貯金ができなかったりするので、計画的に家計管理を行うのも「自立した社会人」には必要なことです。
家計管理の方法については、ここでは詳しく触れませんが、家計管理の第一歩は収入と支出を把握することです。
つまり、毎月、いくら入って、いくら出ていくのかを(無理のない範囲で)予算化しておくことが必要です。
そして、ほとんどの方の場合、「収入=給料」でしょうから、まずは給料がいくら入ってくるのか把握しなければなりません。
「そんなのは、基本給が決まっているから、計算は簡単です」という方は、少し待ってください。
聞いたことはあると思いますが、給料からは色んなものが引かれていきます。
その代表的なものが、「社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)」です(その他にも「雇用保険料」や「所得税」などがあります)。
イメージがわかないなと思っている方のために、架空の計算をしてみましょう。
仮に、給料が20万円の人の場合、厚生年金保険料は1万8182円、健康保険料は1万0110円で、合計2万8292円の社会保険料が引かれます(この保険料率はH29.3分の山口県の協会けんぽ適用のものです)。
さらに、ここから雇用保険料や所得税等が引かれれば、控除額は3万円を超え、手取り額は、16万円代になることでしょう。
つまり、20万円入ってくる見込みで予算を組んでいたら、3万円以上足りなくなってしまうということです。
余裕をみて、手取り収入16万円で予算を組むべきです(ちなみに、社会人2年目からは、さらに住民税が引かれます)。
「20万円もらえるはずが、手取り16万いくらって・・・どうやって生活するんだよ」
こんな悲痛な声が聞こえてきそうです。
この現実に、かなりの衝撃を受けるかもしれません(社会人経験者ならだれもが通る道なのです)。
そして、これらの控除額が反映された給料が支払われ、この衝撃が日本列島を駆け巡るのが5月になってからなのです。
税金や社会保険料は払わなければならないものであり、これらを払ってこその「自立した社会人」なのだと思って、現実を受け止めて、しっかり手取り額の範囲で家計の予算をたてていただければと思います。
ところで、4月に初めて給料をもらう方もいると思いますが、どうして5月からなのでしょうか(ここから先は家計管理の話からずれますが、ついでなので説明しておきます)。
それは、給料の計算方法が会社ごとに違うことと、社会保険料の控除は1ヶ月遅れで行われることが理由です。
まず、新入社員が4月に1ヶ月分の給料がまるまるもらえるケースは、月末締めの当月25日払など月末まで給与計算に含める場合です。
仮に、20日締め25日払いの会社の場合、4月にもらう給料は20日相当分だけになります。
ただ、社会保険料は原則翌月払いなので、4月に発生した社会保険料は5月に払うことになります(つまり、新社会人は入社前の3月には社会保険料は発生していないので、4月の給料からは引かれないということです)。
4月に給料をもらった方たちは、給料明細書には社会保険料が引かれていないので、「意外と引かれものは少ないな」なんて勘違いをしてしまう可能性もあります。
油断しないようにご注意ください。
また、会社によっては、月末締め翌月10日払なんてとこもあるので、5月にならないと給料をもらえないなんてとこもあります。
この場合、初任給である5月支払い分の給料から、がっつり社会保険料が控除されていきます。
いずれの場合でも、5月に支払われる給料というのが、社会保険料控除の洗礼を受ける初めての給料ということになるのです。
これは、社会人として避けて通れない道なのですが、知らずに給料明細書をみると、衝撃を受けることでしょう。
あらかじめ、衝撃に備える心構えをしておいてください。