500円玉貯金の落とし穴

2017.04.12

皆さん、お金を貯めていますか?

毎月決まった額を積み立てている人、生活費で余った分だけはなんとか貯めている人、やる気はあるけどなかなかできていないって人、色々なスタイルがあると思います。

なかなか貯金ができないって人でも、気軽に始められることから「500円玉貯金」をしている人はいるのではないでしょうか。

実は、筆者も500円玉貯金をやっているのですが、ときどき貯金箱を開けてみると、予想以上のお金が貯まっていて、かなり得した気分になります。

こんなちょっと嬉しい500円玉貯金ですが、いくつか落とし穴があることにお気付きでしょうか。

今日は、500円玉貯金で気をつけたいことについてお話しします。

気付かぬうちに目減りしている可能性

500円玉貯金を何年かしていると、10万円以上貯まっていたなんてこともあります。

これを励みにして、このまま続けていこうと思った人は、少し待ってください。

お金は放っておくと減っていくかもしれないって知っていましたか。

たしかに、10万円は使わなければ、いつまでたっても10万円のままです。

しかし、その10万円のお金の価値が気付かぬうちに減っていることがあります。

それは、物価が上昇することで、お金の価値が減っていくからです。

少し極端な例ですが、日本銀行のホームページによれば、昭和40年の1万円は平成27年の4.1万円の価値に相当する(消費者物価で比較した場合)とあります。

これは、約50年間10万円を貯金箱の中に入れておいたら、その価値が4分の1になってしまったということです(当時約41万円の価値だったものが今は10万円の価値しかないってことなので)。

このように、500円玉貯金を貯めっぱなしにしていると、損をすることがあるのです。

お金は流通させてこそ

また、少し大げさですが、500円玉貯金を貯めっぱなしにすることは、経済や社会にとっても、よくないことです。

お金は世の中に流通することで、経済や社会が発展していきます。

そういう意味でお金は「血液」にたとえられます。

貯金箱の中でお金を貯めたままにしているということは、血液の流れを止めているようなものです。

お金は流通させてこそ、その力を発揮してくれます。

まずは500円玉貯金を成功させて、まとまったお金を貯めることが先決ですが、貯まったあとにそのままにしておいていいのかどうかは、よく考えた方がいいでしょう。

「自分へのご褒美」という最大の落とし穴

それでも、500円玉貯金を貯まったまま持っておかれる人は、まだいい方かもしれません。

500円玉貯金の魅力は「いつのまにか貯まっていた」ということだと思うのですが、これが最大の落とし穴になる可能性があります。

当り前の話ですが、500円玉貯金は、誰かからもらったものでもなければ、臨時収入でもありません。

自分が貯めたお金です。

しかし、予期せずに、まとまったお金が手に入ったような気になって、つい財布のひもが緩んでしまうってことはないでしょうか。

「自分へのご褒美に・・・」なんて考え始めたら、かなり危険信号だと思ってください。

せっかく貯めたお金を無駄遣いしたのでは、元も子もなくなってしまいます。

500円玉貯金に成功した人は、この誘惑を乗り越えなければいけません。

定期預金にしてしまおう

では、どうするか。

ここはシンプルに定期預金にしてみましょう。

なーんだと思われるかもしれませんが、定期預金は侮れません。

お金を銀行に預ければ、僅かですが利息もついて、物価上昇による価値の目減りをいくらか補うことができます。

また、銀行に預けたお金は、銀行が流通させてくれるので、経済や社会のためにもなります。

そして、何より「自分へのご褒美」を買わずにすみます。

シンプルですが、落とし穴を回避する確実な方法だと思います。

1年ごとに500円玉貯金箱を確認して、少しずつ定期預金を増やしていく。

すると、いつのまにか思わぬ貯金ができていた、なんてサプライズは嬉しいですよね。

魅力満載の500円玉貯金、無理せずに、損せずに、挑戦したいものです。