国民年金保険料をアルバイト先に半分払ってもらえますか?【年金の常識6】

2018.08.18

いまさら聞けない 年金の常識(6) ~国民年金保険料の事業主負担

オフィス北浦のブログサイトにようこそおいでくださいました。

「いまさら聞けない 年金の常識」シリーズです。

社会保険労務士である筆者が受けた相談や質問から、意外と間違えやすい年金の仕組みを回答していきます。

第6回目の質問はこちらです。

 

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質問「国民年金保険料をアルバイト先に半分払ってもらえますか?」

回答:当然にはできません。国民年金には、厚生年金のように労使折半の制度はありません

 

この質問は、「社会保険料は労使折半」という制度をアルバイトの場合でも使えるのかという趣旨だと思います。

「労使折半」の労使とは、労働者と使用者という意味です。

そして、労働者とは、色々な定義がありますが、働いて賃金をもらっている人というものが一般的ですので、アルバイトも労働者に含まれるのなら、アルバイトの場合でも年金保険料をアルバイト先と折半できるのではないのかと思われたのでしょう。

しかし、この場合の労働者は、厚生年金の被保険者(厚生年金に加入している人)という意味で、アルバイト(労働者)であっても厚生年金に加入していない人(=国民年金を払っている人)はこれには含まれません。

逆に言えば、アルバイトであっても厚生年金の被保険者であれば、法律上当然に保険料は労使折半になるということです。

つまり、同じアルバイトであっても、厚生年金の場合には、厚生年金保険料は労使折半になりますが、国民年金の場合には、国民年金保険料は、全額が自己負担ということです

なお、アルバイト先が国民年保険料の半額相当額を賃金に上乗せして支払ってくれる場合もあるかもしれませんが、それはあくまで任意なのであって、法律上当然に請求できるものではありません。

最後に少し余談ですが、厚生年金の被保険者であれば、会社の経営者(一般的には労働者ではなく使用者)であっても、社会保険料は会社と折半になります。

この場合「使使折半」という方が正しいのかもしれません(そもそも「労使折半」は法律上の用語ではないので、あまり正確な表現ではないということです)。
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