親が亡くなったら、子が成人していても遺族年金はもらえますか?【年金の常識4】

2018.08.16

いまさら聞けない 年金の常識(4) ~成人の子の遺族年金受給の可否

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「いまさら聞けない 年金の常識」シリーズです。

社会保険労務士である筆者が受けた相談や質問から、意外と間違えやすい年金の仕組みを回答していきます。

第4回目の質問はこちらです。

 

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質問「親が亡くなったら、子が成人していても遺族年金はもらえますか?」

回答:もらえません。遺族年金の対象者には、国民年金の場合でも、厚生年金の場合でも、成人(20歳以上)の子は含まれていません

 

国民年金(遺族基礎年金)の対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた、「子のある配偶者」、「子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限ります)」です。

厚生年金(遺族厚生年金)の対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた、「妻」、「子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)」、「55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できます。)」です。

つまり、遺族年金の対象になる「子」というのは、18歳到達年度の年度末を経過していない者(ざっくり言えば高校生以下)か20歳未満の障害者である必要があるのです。

かつては、公務員等の共済年金制度においては、障害者の場合20歳以上であっても遺族年金の対象になっていた制度もあったのですが、平成27年(2015年)10月1日以降は被用者年金一元化によって、厚生年金の制度に統一されました。

親の年金を生活の基礎にしている成人の子(引きこもりや障害者などさまざまな理由はあると思いますが)は、親が亡くなっても、親の遺族年金をもらうことはできませんので、早めに経済的な自立方法を模索しておく必要があります。
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