障害年金は何歳までもらえるのですか【年金の常識9】

2019.10.22

障害年金がもらえなくなる場合を社会保険労務士が解説

オフィス北浦のブログサイトにようこそおいでくださいました。

社会保険手続を中心に弁護士業務や成年後見業務をサポートしている社会保険労務士の徳本博方です。

社会保険労務士である筆者が受けた相談や質問から、「いまさら聞けない 年金の常識」として、意外と間違えやすい年金の仕組みを回答していきます。

第9回目の質問は、障害年金の終期(いつまでもらえるのか)についてのものです。

この質問は、よく聞かれる質問のひとつです。

たしかに、老齢年金と異なり、障害年金はいつまでもらえるのかイメージがしにくいと思います。

失権事由に該当する場合だけなく、支給停止も含めてお話しようと思います。
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質問「現在、障害年金を受給しているのですが、障害年金は何歳までもらえるのですか?」

回答:障害年金の受給期間に年齢制限はありません。ただし、失権事由に該当するか支給停止になれば、障害年金はもらえなくなります。

 

障害年金には、何歳になるまでもらえるなどの年齢による制限はありません。

障害年金の失権(受給権の消滅)については、法律上、①死亡した場合、②3級に該当しない者が65歳になった場合(該当しなくなってから3年経過が必要)、③3級に該当しなくなって3年が経過した場合(65歳以上である必要)が規定されていますし、それ以外にも④併合認定によって新たな障害年金が受給できる場合には従前の受給権は消滅します。

これらのうち、3級に該当しなくなった場合を定める②と③についてはそれほどケースは多くはないですし(②と③は老齢年金がもらえる可能性が高く、経済的にも問題にはなりにくいのです)、④については併合後の新しい障害年金が受給できるので、実質的には①の死亡の場合以外にはそうそう問題になるケースは少ないと思われます。

その意味では、障害年金は終身年金(死亡するまでもらえる年金)といっていいでしょう。

 

しかし実際には、死亡するまでの期間に障害年金がもらえなくなる場合があります。

それが「支給停止」です。

前述の「失権」は受給権自体が消滅することですが、この「支給停止」は受給権は消滅せず何らかの事情によって支給が止まっている状態です(支給停止事由がなくなれば再開されます)。

このように「失権」と「支給停止」は厳密には内容は違うのですが、障害年金がもらえないという意味では同じことです。

では、どのような場合に支給停止になるのでしょうか。

主な支給停止の事由は、障害の程度が軽減して、障害「基礎」年金(国民年金)の場合には2級に、障害「厚生」年金の場合には3級に該当しなくなったと認定されることです。

つまり、障害の程度が軽くなったと認定されれば、支給停止になるということです。

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この点ついては、一般的に障害の程度が軽くなったことを自ら申告する人は多くありません。

そこで、障害年金には更新の制度が設けてあります。

障害年金の受給者は、一定の時期(障害のケースにより1~5年)に「障害状態確認書(診断書)」を日本年金機構に提出して、再認定を受けることになります。

ただし、症状が固定している場合には更新が不要なこともあり、その場合には「障害状態確認書(診断書)」を提出する必要はありません。

この更新の要否の違いで、更新が必要なケースを「有期認定」、更新が不要なケースを「永久認定」と呼ぶこともあります。

このように有期認定の更新の際に、障害の程度が軽減したと認定されて支給停止となり、障害年金がもらえなくなるケースがあるのです(逆に、障害の程度が悪化したと認定されれば、職権で障害年金の等級が上がり、年金額が増えるケースもあります)。

なお、このような支給停止の場合には、障害年金の受給権が失権したわけではないので、その後障害の程度が悪化すれば、「支給停止事由消滅届」を提出し、支給停止を解除することになります(支給停止が解除されても、それ以降の年金がもらえるだけで、支給停止時に遡って年金がもらえるわけではありません)。

この他、障害年金の支給停止事由には、老齢年金がもらえるようになったので、老齢年金を選択するような場合などもあります。
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以上の要点をまとめると、

  • 障害年金には年齢による受給期間は定められていない
  • 障害年金が「有期認定」の場合、更新の際に障害の程度が軽減したと認定されれば、支給停止になり、障害年金はもらえなくなる可能性がある

ということです。

更新の際に「障害状態確認書(診断書)」を提出する場合には、内容をしっかりチェックして(場合によっては医師に確認するなど)、十分に注意を払うことをお勧めします(個人的な感想ですが、この「障害状態確認書(診断書)」を内容すら確認することなく、安易に提出して後で慌てるというケースも散見されますので)。

さいごに

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

この記事を読まれたひとのなかには、まだ障害年金を受給していないひともいると思います。

もしかしたら、これから障害年金を申請してみようと思われたひともいるかもしれません。

社会保険労務士の筆者がいうのも少しへんですが、筆者は障害年金は自分で申請できると思っています。

そのようなひとに向けた記事も書いていますので、こちらにご紹介しておきます。

あわせて読んでいただければと思います。

よろしくお願いいたします。

障害年金は自分で申請できる【そのシンプルな理由】

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