ディプロマシールール説明 基本編(11) ~撤退・解体フェイズ
2020.02.25
初心者向けディプロマシー基本ルール(11)
オフィス北浦が主宰する祥福舎卓ゲ部では、対面型のディプロマシーというボードゲームを行っています。
参加者は初心者さんが多いので、その都度ルール説明の時間を1時間程度設けていますが、事前に基本的なことを確認できるように、こちらのサイトでも説明していきたいと思います。
第11回目は、撤退・解体フェイズについてご説明します。
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撤退・解体フェイズって何をするの?
撤退・解体フェイズは、他国に撃退されたユニットについて、撤退(別の地域に移動すること)するか解体(盤上から排除すること)するかを決めるフェイズです。
命令解決フェイズで「撃退」されたユニットは、現在地に留まるわけにはいきません。
「1つの地域には1つの軍隊ユニットしか存在できない」からです。
将棋やチェスであれば、負けた駒はすぐに盤上から排除されますが、ディプロマシーでは必ずしも排除されるとは限りません。
撤退することもできるのです。
つまり、撃退=撤退 or 解体 ということです。
たとえば、次のような場面を想定してみましょう。
【配置・命令・結果】
- Sev(セヴァストポリ)ロシア海軍:Ukr(ウクライナ)ロシア陸軍がRum(ルーマニア)に移動するのを支援 → 成功
- Ukr(ウクライナ)ロシア陸軍:Rum(ルーマニア)に移動 → 成功
- Rum(ルーマニア)オーストリア陸軍:維持 → 失敗(撃退)
- Bud(ブダペスト)オーストリア陸軍:Ser(セルビア)に移動 → 失敗
- Bul(ブルガリア)トルコ陸軍:Ser(セルビア)に移動 → 失敗
命令解決フェイズでこのような結果になったとします。
Rum(ルーマニア)オーストリア陸軍が撃退されたので、撤退・解体フェイズが始まります(撃退されたユニットがまったくない場合には、撤退・解体フェイズは省略されます)。
撤退・解体フェイズの手順は次のとおりです。
まず、プレーヤーの任意で、解体するか撤退するかを決めます。
もしも、解体を選択した場合には「解体命令」を書いてもらいます。
撤退を選択した場合には、そもそも撤退が可能かどうかを判定します。
撤退ができない地域がありますので、それ以外の地域があるかどうかを判定しなくてはいけません。
撤退できる地域がある場合には、「撤退命令」を書いてもらいます。
撤退できない地域は、
- 他のユニットが存在する地域
- 移動をしてきたユニットが来た元の地域
- そのターンにスタンドオフが発生し、その結果空白で残されている地域
です。
もちろん、撃退されたユニットが移動できない地域には撤退はできません。
上記の例でいうと、Rum(ルーマニア)オーストリア陸軍が撤退できない地域は、
- 他のユニットが存在する地域:Sev(セヴァストポリ)、Bud(ブダペスト)、Bul(ブルガリア)
- 移動をしてきたユニットが来た元の地域:Ukr(ウクライナ)
- そのターンにスタンドオフが発生し、その結果空白で残されている地域:Ser(セルビア)
です。
また、陸軍は海洋地域には移動できないので、Bla(黒海)にも撤退できません。
その結果、Rum(ルーマニア)オーストリア陸軍が撤退できる地域は、Gal(ガリシア)のみとなります。
なお、輸送命令によって撤退をすることはできません。
もしも、Gal(ガリシア)に他の軍隊ユニットがいるような場合には、Rum(ルーマニア)オーストリア陸軍には撤退できる地域がなくなります。
そのような場合には、強制的に解体されてしまいます。
強制解体されるのは、
- 撤退可能な地域がない場合
- 2つ以上の軍隊ユニットが同じ地域への撤退を命令された場合(その全てが強制解体)
- 撤退命令に失敗した場合(無効な命令など)
です。
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撤退命令・解体命令はどうやって書くの?
撤退命令も解体命令も、原則として命令書に記載する方法でだしてもらいます。
その際に、他国と交渉をしてはいけません。
特に「2つ以上の軍隊ユニットが同じ地域への撤退を命令された場合には、その全てが強制解体」というルールがありますので、他国との間で撤退する地域を調整してはいけません。
撤退命令は、移動命令の記載方法を流用します。
- A Rum – Gal
- ルーマニア陸軍がガリシアに移動(または撤退)
というような感じです。
命令書カードを使うなら、
このように書いてください。
次に、解体命令です。
強制解体の場合に命令は不要ですが、任意解体の場合には、次のユニット増減フェイズで使う、解体命令を流用します。
命令書カードは、
このようなものを用意しています。
解体命令は、
- A Rum – Disbands
- ルーマニア陸軍を解体
というような感じです。
命令書カードを使うなら、
このように書いてください。
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さいごに
今回は、撤退・解体フェイズについてご説明しました。
撤退可能地域については、少し複雑なところもありますが、しっかり理解してください。
まれに、撤退可能な地域を探していると、他国の本国の補給都市ががら空きになっていることがあります。
その場合には、そこに撤退することもできます。
撃退されたのに他国の本国の補給都市を占有できるという、ラッキーなこともあるのです。
なお、撃退ユニットが競合しないような場合には、時間短縮のため、撤退命令や解体命令を口頭で行うこともありますので、GMの判断をあおいでください。
次回は、ユニット増減フェイズについてお話する予定です。
基本編も、次回で最終回です。
もう少し、お付き合いくださいませ。
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