今だからみたい 伝説のドラマ「すいか」で癒されよう【名言付き】
2020.04.26
伝説の癒し系ドラマ「すいか」をみよう
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今回は、「すいか」というテレビドラマのご紹介です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への不安や恐れ、先の見えない将来への焦りや無力感といった心理的なストレスから、癒しを求めている人も多いのではないでしょうか。
外出自粛で普段よりも時間もとれると思います。
「心がイライラして落ち着かない」、「余裕がなくなってひとにやさしくできない」、「もやもした気持ちに押しつぶされそう」といった人は、どうかこの「すいか」をみてください。
きっと心が癒されていきますよ。
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伝説の癒し系ドラマ「すいか」ってどんなお話なの?
「すいか」は、2003年7月~9月に日本テレビ系で放送された、木皿泉(第7話のみ山田あかね)脚本、小林聡美主演のドラマです(詳しくはウィキペディア(Wikipedia)をご参照ください)。
「16年も前の作品を何を今さら」と思われるかもしれませんが、この作品はテレビドラマにしては珍しく、長い時間が経過しても根強いファンから支持されつづけている伝説の名ドラマなのです。
DVDボックスのamazonのカスタマーレビューは最近になっても更新され続け、評価数175のうち星5つ96%、星4つ4%(星3~1は0%)という驚異的な評価を得ています(2020年4月26日現在)。
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どうしてここまで支持されつづけているのでしょうか?
一言で言えば、究極の癒しのドラマだからです。
ただ、これではありきたりですので、もう少し「すいか」の癒しポイントを深めてご紹介したいと思います。
伝説の癒し系ドラマ「すいか」の癒しポイント
筆者の推す「すいか」の癒しポイントは3つあります。
- 日常を生きる自分を肯定してくれる
- 周りの人やモノや出来事との心地よい距離感に気付かせてくれる
- 「死」とやさしく向き合わせてくれる
それぞれのポイントについてお話しましょう。
あわせて「すいか」で語られる名言もご紹介します。
日常を生きる自分を肯定してくれる
「すいか」の主人公である早川基子はどこにでもいるふつうの会社員です。
会社ではどことなくないがしろにされ、家では母親との関係に苛立ちながらもどこかお互いに甘えている、そんな日常を生きています。
通常のドラマでは、主人公がそういう日常を脱して颯爽と変化していく展開が描かれそうなものです。
でも「すいか」ではそうはなりません。
基子はもやもやした気持ちを抱えながらも、ただただ日常を過ごしています。
ドラマの開始早々に基子の親友の馬場万里子(通称「馬場ちゃん」)が大事件を起こします。
それでも基子の日常は続いていきます。
ただ、基子の内心は、変わらない日常に押しつぶされそうになっていました。
そんなとき、基子の生き方を肯定してくれる人が現れます。
下宿であるハピネス三茶の住人「教授」こと崎谷夏子です。
自分なんかがこの世にいていいのかという気持ちを打ち明けた基子に対して、教授が語るセリフが
「居てよしッ!」
です。
これは痛快でした。
多様性だとか、寛容性だとか、そんな屁理屈はいりません。
居ていいんです。
日常を生きる自分を全面的に肯定してくれる。
この言葉をきっかけにして、基子は変わらないようで変わっていく日常をいとおしく受け止めていくようになります。
ここを「すいか」の癒しポイントとしてあげないわけにはいきません。
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周りの人やモノや出来事との心地よい距離感に気付かせてくれる
基子の周りには素敵な登場人物がいます。
ハピネス三茶の住人やそこを訪れる人たち、バー泥船のママとバーテン、家族(母)に会社の上司や後輩、そして逃亡犯の馬場ちゃん・・・
このドラマはそういった登場人物たちと、基子がどういう距離をとっていくかをみていると面白いと思います。
近すぎてちょっとウザい人、心の壁の向こうにいる人、お近づきになりたい憧れの人、そして、もう会えないかもしれない人。
それぞれに心地よい距離感があるはずなのです。
それはモノや出来事でも同じことです。
仕事、お金、恋愛や結婚、みえない将来など。
基子や登場人物たちは、最終話に向けて心地よい距離感を測りつつ、あるべき関係に近づいていきます。
そういう心地よい距離感を一言で表したセリフをあげるなら、バー泥船のママの
「帰ってちょうだい」
かもしれません。
閉店時間後もしつこく残る客に言うお決まりのセリフなんですけど、ぶっきらぼうな言葉の中に、ママと客の心地よい距離感があるように思います。
泥船のママは、基本このセリフしかしゃべりません。
ただし、一度だけ「帰らないでちょうだい」と言うシーンがあります。
そこは、ぜひ実際に見てほしいポイントです。
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「死」とやさしく向き合わせてくれる
「すいか」では、基子の日常を軸にしつつ、さまざまな「死」が語られます。
ハピネス三茶の住人で漫画家の亀山絆(きずな)の双子の姉である結(ゆい)の死、教授の親友の死、教授の元カレの死など、コメディータッチのドラマの中に意外にも多くの「死」が置いてあります。
とくに、絆の姉である結の死については、ドラマの重要なエピソードになっています(このドラマは基子だけでなく絆の物語でもあるのでしょう)。
第1話の冒頭は、20年前の基子と絆と結の出会いから始まります。
1999年に地球は滅亡すると結は予言します。
自分もふくめた何もかもがなくなってしまう世界を想像して言葉を失う基子。
そんなときにどこからかカレーの匂いがしてきて、基子たちは日常の世界に戻されていきました。
そして時が過ぎ、いつの間にか1999年は過ぎていました。
そこは20年後の世界です。
地球は滅亡していませんでした。
その世界で、基子と絆は偶然再会することになるのですが、そこで結が1999年に死んでしまったことを聞かされます。
基子は自分の知らないところで、1999年に滅亡してしまった人がいたことに思いをよせます。
奇しくも20年前に出会ったときと同じようにカレーの匂いを嗅ぎながら、基子はかみしめるように
「こんなに、カレーの匂い、してるのに・・・そうですか。もういないんですか」
とつぶやくのです。
人が死ぬということ。
いなくなるということ。
だけど、その人がいなくなった世界を生きていかなければならないということ。
そんな残された人の思いに寄り添うように基子はつぶやきます。
物語の後半には、基子の母に病気がみつかり、基子にも「死」をリアルなものとして向き合うときがきます。
また、ハピネス三茶の大家(の娘)芝本ゆかが教授が死んでしまうところを想像して子供のように泣き出すシーンもあります。
絆の飼い猫綱吉が家出するエピソードも、いずれおとずれるであろうペットとの別れをイメージさせます。
もしかしたら、馬場ちゃんの逃亡劇も、ある意味では「死」なのかもしれません(彼女は生と死の狭間を行き来しているといった方がいいのかもしれませんが)。
コメディードラマの中で、こんなに「死」を扱ったドラマは珍しいのではないでしょうか。
だけど、ぜんぜん見ている側の負担にならないのです。
美化するのではなく、忌み嫌うのでもなく、日常の中でやさしく「死」と向き合わせてくれる。
これがこの「すいか」というドラマの最大の癒しポイントなのではないかと思っています。
「すいか」の楽しみ方
何はともあれ、ドラマですので、みていただくのが一番だと思います。
Huluで配信もしてるそうです。
また、amazonでもレンタルをやっていますし、DVDボックスも発売しています。
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もう一つ、ぜひおすすめしたいのは、シナリオ本です。
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名言満載のシナリオ本は、ドラマでは語られなかったシーンもあります。
第4話で基子と刑事の生沢の会話は、ドラマよりもいっそうわかりやすく描かれていますので、必見です。
また、シナリオ本「すいか 2」にはオマケとして、10年後のハピネス三茶を描いたエピソードも収録されています。
映像をみたあとに、このオマケを読めば、あの登場人物たちが脳内再生されること請け合いです。
何かと世知辛いご時世ですが、伝説の癒し系ドラマ「すいか」を映像でもシナリオでもたのしんでいただければ幸いです。