若手もベテランも笑顔に!社内研修で使える“世代間ギャップ型”ボードゲーム3選

2025.04.05


ベテラン

「最近の若者にはうまく伝わらないな……」

この時期、社内研修で新人・若手社員と接していると、思わぬ世代間ギャップに驚くことがあります。

それは、新人・若手社員の側にしても同じことでしょう。

若手

「上司世代との会話が難しい……」

なんて声も聞こえてきそうです。

社内研修は、単に知識を詰め込むだけではなく、職場の人間関係を築く大切な機会です。

特に、異なる世代が働く職場では、お互いの価値観や考え方を知ることが、スムーズなコミュニケーションの第一歩になります。

そのためには若手もベテランもお互いに世代間ギャップを理解し、尊重することが必要です。

今回は自称「ボードゲーム系社労士」の筆者が、そんな世代間ギャップを理解するために「若手もベテランも笑顔に!社内研修で使える“世代間ギャップ型”ボードゲーム3選」と題して、新人・若手社員の社内研修に役立つボードゲームを選んでみました。

“世代間ギャップ型”ボードゲームの可能性

今回ご紹介するボードゲームは、①筆者が実際にプレイしてみて世代間ギャップを楽しめたこと、②社労士目線でチームワークとコミュニケーション能力向上に役に立つと思えたこと、③若手からベテランまで誰でも参加しやすいこと(ルールがシンプル、1ゲーム30分程度、比較的簡単に入手できるなど)の3つの条件をすべてクリアしているものを選びました。

これらの“世代間ギャップ型”ボードゲームを、アイスブレイクやチームビルディングにうまく組み込んで使えば、若手もベテランもお互いの価値観や考え方を自然と理解しあえること請け合いです!

そのゲームとは、

の3つです。

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社労士おすすめ“世代間ギャップ型”ボードゲームの紹介

ito

 

ゲーム概要

「ito」は、プレーヤー全員が自分の価値観を数値化していくゲームです。

プレーヤーは自分に配られた数値に対応する物事を、ゲームごとに設定されたテーマにそって考えて、それを発表します(その際に数値を明かしてはいけません)。

各プレーヤーの発表した物事を全員で話し合いなら(数値がより小さいと思われる方から)順番を決めていきます。

このゲームの魅力は、まさに「価値観の違い」にあります。

例えば、同じ物事でも年代や考え方の違いによって評価が大きく異なり、世代間ギャップがゲームの面白さを増します。

プレーヤー同士は、どうしても価値観のすり合わせが必要となり、その過程で意外な発見や共感が生まれるのが楽しい部分です。

シンプルなルールの中で、深い思考を促す作品で、何度でも楽しむことができます。

ゲーム名 ito
プレイ人数 2-10人(8歳以上)
プレイ時間 約30分(筆者体感20分)
ルール難易度(筆者独断) ★☆☆☆☆(1/5)
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プレイ感想

itoの「クモノイト」は、とにかくルールが簡単でしかも短時間で盛り上がります。

テーマもたくさんありますし、オリジナルのものを作ってもオッケーです。

自分の主観では高評価なものが意外と伝わらなかったりと、「なんで~!?」となる体験ができます。

ここに世代間ギャップが加わると、難易度がさらにアップします

たとえば「生活に必要な家電」というテーマで、自分に「70」という数字が配られたとします。

これを「テレビ」と言ってうまく伝わるでしょうか。

数字が「90」とかであれば、「スマホ」あたりにすれば世代に関係なく通じそうです。

しかし「70」はどうしたものか。

筆者世代(50代)なら「テレビ=70」は妥当なところだと思いますが(何ならもう少し高くてもいいかも)、20代にこれが通じるかどうか(実際には通じませんでした)。

また、アニメや漫画などをテーマにすると、世代間ギャップが際立ちます。

筆者の実体験として「主人公のライバル」というテーマで「90」のとき、「シャア」が若手にもちゃんと伝わったときの感動は今でも覚えています。

「やるな。シャア」と思わずつぶやきました。

コードネーム

 

ゲーム概要

「コードネーム」は、2チームに分かれて戦う推理・コミュニケーション型のゲームです。

このゲームの特徴はチーム戦であること。

各チームに1人の出題者(スパイマスター)を決めて、その他の仲間にヒントを出していきます。

仲間と協力して、相手チームより先に自分のチームのカードを全て当てる(伝える)ことが目標です。

世代間ギャップが楽しめる点も大きな魅力で、異なる世代が集まると、使う言葉やヒントが意外な形でズレてしまうことがあります。

その違いをどう乗り越えるかが、プレーヤー間のコミュニケーションをさらに面白くします。

また、1つのヒントで複数のカードを当てることが重要で、少ないヒントで多くのカードを当てられると一気に有利になります。

さらに、相手チームのヒントをどう解釈するかも必要で、相手の出題者(スパイマスター)のヒントの出し方に合わせて自分チームの回答を練り直すこともあります。

世代間ギャップを織り込んだ推理力やチームワークが試されるゲームです。

ゲーム名 コードネーム
プレイ人数 2-8人以上/競技性重視:4-8人以上(10歳以上)
プレイ時間 約15分(筆者体感約30分)
ルール難易度(筆者独断) ★★☆☆☆(2/5)
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プレイ感想

コードネームでは世代間ギャップが直接的に影響します。

出題者(スパイマスター)と回答者の世代が離れている場合には、若手は「自分の親世代ならどう考えるか」を想像したり、ベテラン組は「今でもこれは通じるのかな。大丈夫だよな」とドキドキしながらお互いに試行錯誤を繰り返していきます。

そういった悩みを共有するからこそ、当たれば本当に痛快ですし、外れたら外れたで世代間ギャップをリアルに認識することができます。

たとえば最近筆者が経験したものでいうと、「水星」というカードを当てるために、若手のスパイマスターが「ガンダム」とヒントを出したのですが、ベテラン組は「???」となって回答できませんでした。

若手スパイマスターはベテラン組=ガンダム世代に寄せたつもりで「水星の魔女」から「ガンダム」をヒントに選んだのですが、ベテラン組はガンダムはガンダムでも「ファースト」世代なので「???」となったというわけです。

ついでにガンダムネタをもう一つ。

「木馬」というカードを当てるために「ホワイトベース」(ファーストガンダムの宇宙船)というヒントを出したのですが、大学生にはまったく通じませんでした(筆者実体験)。

そういえば、「忍者」と「科学」の両方を一気に狙って「ガッチャマン」とヒントを出して撃沈したベテラン組スパイマスターもいました。

ベテラン組からすれば「科学忍法」は一般常識レベルなんですけどね。

ここでもアニメや漫画のネタはテッパンです。

デクリプト

 

ゲーム概要

「デクリプト」は、出題者が出すヒントから暗号を解読して、設定された番号の並びを当てていくチーム戦型ゲームです。

プレーヤーは2チームに分かれて、各チーム1人の出題者を選びます。

その出題者は、与えられた3桁の数字に該当する言葉(暗号)について、自分のチームに伝わりやすいようなヒントを出題することが求められます。

このゲームでは、世代間ギャップが楽しめる要素も大きく、異なる世代や文化背景を持つプレーヤー同士で、どのヒントが通じるかが大きなポイントになります。

お互いの価値観や経験に基づいた推理が絡み合い、予想外の展開が生まれることもしばしば。

ただそのヒントは相手チームにも聞かれているため、わかりやすすぎるヒントは相手がこちらの暗号を解読するヒントにもなってしまいます。

そのため、出題者は自分のチームに伝わりやすく、かつ相手チームにヒントを与えないように工夫しなければならず、その絶妙なバランスがゲームを一層面白くします。

チーム戦ならではの協力と駆け引きが楽しめる、知的な作品です。

ゲーム名 デクリプト
プレイ人数 4-8人以上(2-4人以上×2チーム)
プレイ時間 約30分(筆者体感)
ルール難易度(筆者独断) ★★★☆☆(3/5)
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プレイ感想

これまでの2つのゲームに比べて、デクリプトはルールが少し難しいのですが、一回通してゲームをすればすぐに覚えることができます。

出題者は、自分のチームには伝わり、相手チームには伝わらないヒントをいかに通すかが求められます。

ここに世代間ギャップが加わると、難易度と面白さがさらに上がっていきます。

筆者の経験談をお話しすると、「新聞」という暗号を伝えるために「エブリデイ」とヒントを出したところ、味方には通じたものの、相手チームにもバレてしまったことがあります。

その前のヒントが「紙」だったので、バレバレだったようです。

相手チームが若手ばかりだったので「今どきの若い人は新聞を読まないっていうし、さすがに相手チームにはバレないだろう」と思って出したヒントだったのですが甘かった。

もう少しひねって「サンライズ」くらいにしておけばよかったかな……(ガンダムネタではなく「朝日」という意味で)。

また、デクリプトの特徴としては、1回のゲーム中に出題者がチームの中で順番に変わっていくので、チームメンバー全員の思考パターンや価値観を垣間見れるのも面白いところです。

若手のターンからのベテランのターンといったことが起こるので、出題者が代わるごとに世代間ギャップの修正が必要になってきます。

研修でボードゲームを活用する際の注意点

このようにボードゲームは楽しいツールですが、研修の目的を達成するためには適切な運用が重要です。

以下の点に注意しながら進めると、より効果的な研修になります。

 研修の目的を明確に伝える

ボードゲームを「単なる遊び」と思われないように、 「このゲームを通じて何を学んでほしいか」 を事前に伝えましょう。

など、目的をはっきりさせることで、研修としての意味を持たせられます。

全員が楽しめる環境をつくる

人によっては「ゲームが苦手」「対戦系がプレッシャーに感じる」ということもあります。

参加者には事前に特定のプレーヤーのミス攻めや戦犯探しを絶対にしてはいけないことを周知しておきましょう。

このような発言が認められた場合にはいったんゲームをとめて、一息入れる時間をもうけてください。

それぞれの参加者は、勝ち負けにこだわりすぎないように、リラックスした雰囲気でプレイできるような配慮が求められます。

フィードバックの時間を設ける

ゲーム終了後に、ただ終わるのではなく 「このゲームから何を感じたか」を共有する時間を作りましょう。

といった気づきを振り返ることで、より研修の学びが深まります。

こういう感想戦こそがボードゲーム会の楽しみです(ただし、くれぐれも戦犯探しなどはしないように十分な配慮を)。

まとめ

このようにボードゲームを研修に取り入れることで、 若手もベテランも笑顔で「楽しみながら学ぶ」 ことが可能になります。

一般的に世代間ギャップはコミュニケーションの阻害要因と思われていますが、それを逆手にとってコミュニケーションを円滑にするために利用することができるのです。

ボードゲームってすごいですね。

以上、ボーゲーム系社労士が「若手もベテランも笑顔に!社内研修で使える“世代間ギャップ型”ボードゲーム3選」をお届けしました。

少しでも参考にしていただければ嬉しいです。

最後までのお読みいただきありがとうございました。

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【追記】「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」効果はすごい!

この記事では、世代間ギャップの例としてガンダムネタを入れてみましたが、2025年4月からテレビ放送が始まった「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」(ガンダム ジークアクス)のおかげで、いわゆるZ世代(「ゼータ」世代ではなく「ゼット」世代。ややこしい)の人たちがファーストネタを理解できるようになってきています。

ファーストではあまり出番のなかったシャリア・ブルまでも、今では「みどりのおじさん」としてZ世代認知度が急上昇しています。

すごい時代になったものです(うれしい!)

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ボードゲーム系社労士&ファイナンシャルプランナー

徳本博方
(とくもとひろみち)

自己紹介

ボードゲーム系社労士&ファイナンシャルプランナー

「ゆとり・つながり・まもり」の3つの「り」メイクでシングルライフステージをサポート

ボードゲームで楽しく「つながり」をつくり、キャリア・資産形成と年金サポートで「ゆとり」を、成年後見で最終的な「まもり」をお届けします

「ぎりぎり・ひとり・気がかり」を、「ゆとり・つながり・まもり」に変えていきましょう!

プロフィール
  • 資格
    • 社会保険労務士
    • ファイナンシャルプランナー
    • 宅建士
  • 経歴
    • 一般社団法人萩長門成年後見センター事務局長(現)
    • 弁護士事務所パラリーガル(勤務17年以上)
    • 山口県萩市出身
    • 萩高校、慶応義塾大学文学部