障害年金をもらいはじめたら確定申告をしなければならないの?【年金の常識15】

2020.05.16

障害年金に個人所得税の確定申告が必要なのかを社会保険労務士が解説

オフィス北浦のブログサイトにようこそおいでくださいました。

社会保険労務士である筆者が受けた相談や質問から、「いまさら聞けない 年金の常識」として、意外と間違えやすい年金の仕組みを回答していきます。

第15回目の質問は、障害年金を受給した場合に個人の所得税の確定申告が必要なのかという問題です。

障害年金の受給を検討している人や、すでに受給をしている人のなかには、

  • 障害年金をもらったら確定申告をしなければいけないのか
  • 確定申告をしなかったら自治体から所得未申告の確認の手紙がきたけど、本当は確定申告をしなければいけなかったのではないか

このような疑問をお持ちの人がいらっしゃいます。

今回はそのような疑問にご回答します。

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質問:障害年金をもらいはじめたら確定申告をしなければならないのですか

回答

障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金、障害手当金)は非課税所得です。

障害年金以外に所得がないのであれば、確定申告は必要ありません。

ただし、国民健康保険等の保険料(均等割)の減額が必要な場合には、自治体に対して所得のないことを申告しなければいけません(自治体から確認のための文書が届くこともあります)。

 

解説

押さえておきたいポイントは2つあります。

  • 障害年金は非課税所得なので、確定申告は必要ない
  • 国民健康保険料等の均等割の減額を受けるには、自治体に対して所得がないことの申告が必要

順番にご説明していきます。

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  • 障害年金は非課税所得なので、確定申告は必要ない

障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金、障害手当金)は非課税所得です(国民年金法25条。厚生年金保険法41条2項)。

そのため、障害年金以外に所得がないような場合には確定申告は必要ありません。

これは障害年金の受給額の多い少ないには関係ありません。

また、障害年金は非課税所得ですので、所得税だけでなく住民税(所得割)も非課税です。

 

  • 国民健康保険料等の均等割の減額を受けるには、自治体に対して所得がないことの申告が必要

障害年金の確定申告は不要ですが、国民健康保険等の均等割の減額を受けるためには、各自治体に別途所得のないことの申告(住民税の申告)が必要になります。

自治体の把握した世帯の所得の有無や額などの情報を基準にして、一定の要件をみたせば国民健康保険料等の均等割が減額されます。

しかし、障害年金は非課税所得なので、ある人が障害年金を受給しているのかという情報は各自治体では把握できません(これに対して、給与や老齢年金のように所得税を源泉徴収されている人や事業所得などを自ら確定申告をしている人の情報は各自治体が把握しています)。

障害年金だけの所得の人が何もしなければ、所得未申告として扱われるということです。

所得未申告のままでは国民健康保険料等の均等割の減額を受けることができません。

そのため、これらの減額が必要な場合には、住民税に関して所得(所得がないこと)の申告が必要になります(保険料の算定のための申告の場合もあります)。

この申告の期限は確定申告と同じですが、それを提出していない場合には、5月ころに自治体から所得未申告の確認の書面が届くこともあります。

必要に応じて対応してください。

なお、自治体に所得未申告のままでは国民健康保険料等の均等割の減額は受けられませんが、所得のない人が所得の申告をしなかったからといって、それが違法ということではありません。

 

さいごに

今回は、障害年金を受給した場合に個人の所得税の確定申告が必要なのかという問題について、

  • 障害年金は非課税所得なので、確定申告は必要ない
  • 国民健康保険料等の減額を受けるには所得がないことの申告が必要

という2つのポイントを解説してきました。

障害年金は非課税所得ですが、何もしないでいれば思わぬ不利益をうけることもあります。

ここではふれませんでしたが、国民年金の第1号被保険者になっている場合には、保険料の免除の手続きというものもあります。

情報をしっかり収集して、ご自分に必要な手続きを行ってください。

この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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