ディプロマシールール説明 基本編(4) ~ユニットの初期配置
2020.02.10
初心者向けディプロマシー基本ルール(4)
オフィス北浦が主宰する祥福舎卓ゲ部では、対面型のディプロマシーというボードゲームを行っています。
参加者は初心者さんが多いので、その都度ルール説明の時間を1時間程度設けていますが、事前に基本的なことを確認できるように、こちらのサイトでも説明していきたいと思います。
第4回目は、ユニットの初期配置と中立の補給都市や激戦地・緩衝地帯について、ご説明します。
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各国の軍隊ユニットの初期配置は?
ディプロマシールール説明 基本編(2) ~マップ・ユニットでお話したように、各国には本国の補給都市と呼ばれる地域があります。
そして、各国の本国の補給都市には、初期配置として軍隊ユニットが置かれています。
マップを見ながら確認してきましょう。
- イギリス:Lon(ロンドン)海軍、Edi(エディンバラ)海軍、Lvp(リヴァプール)陸軍
- フランス:Par(パリ)陸軍、Bre(ブレスト)海軍、Mar(マルセイユ)陸軍
- ドイツ:Ber(ベルリン)陸軍、Kie(キール)海軍、Mun(ミュンヘン)陸軍
- イタリア:Rom(ローマ)陸軍、Ven(ヴェニス)陸軍、Nap(ナポリ)海軍
- オーストリア=ハンガリー:Vie(ウィーン)陸軍、Bud(ブダペスト)陸軍、Tri(トリエステ)海軍
- ロシア:Mos(モスクワ)陸軍、StP sc(サンクトペテルブルク南岸)海軍、War(ワルシャワ)陸軍、Sev(セヴァストポリ)海軍
- オスマントルコ:Con(コンスタンティノープル)陸軍、Ank(アンカラ)海軍、Smy(スミルナ)陸軍
詳しくは命令記入フェイズのところで述べますが、ロシアのStP(サンクトペテルブルク)は、海岸線が2つに分かれている沿岸地域ですので、ここに海軍がおかれる場合には海岸を指定しなければなりません(初期配置では海軍が南岸におかれています)。
これらの初期配置は、各国が今後どのように展開していくのかを決めるうえで重要な意味をもっています。
初心者であっても各国の初期配置は覚えておいたほうがよいと思います。
中立の補給都市の位置関係は?
中立の補給都市の位置関係を把握しておきましょう。
まずは、北欧や低地地域として、Swe(スウェーデン)、Nwy(ノルウェー)、Den(デンマーク)、Hol(オランダ)、Bel(ベルギー)をみてみましょう。
これらの補給都市は、ゲーム序盤からイギリス、フランス、ドイツ、ロシアの利害が衝突することになります。
これらの補給都市では、1901年春ターンにドイツのKie(キール)海軍がDen(デンマーク)かHol(オランダ)へ移動ができるだけで、他は早くても1901年秋ターンでなければ移動ができません。
また、イギリスとフランスの間にあるEng(イギリス海峡)も両国にとって重要なエリアです。
各国の利害関係をどのように調整するのか(そして自国の利益を最大化するのか)の外交能力が求められるところです。
次に、イベリア半島のSpa(スペイン)、Por(ポルトガル)とアフリカのTun(チュニス)をみてみましょう。
地理的な条件からすれば、Spa(スペイン)とPor(ポルトガル)はフランスに、Tun(チュニス)はイタリアにというのが序盤の基本的な流れになると思われます。
ゲーム中盤以降になれば、イタリアとフランスが全面対決するのかどうかで流れは変わってくるでしょう。
場合によってはイギリス、オーストリア=ハンガリー、オスマントルコあたりも加わって激戦となることもありえます。
さいごにバルカン半島のSer(セルビア)、Rum(ルーマニア)、Bul(ブルガリア)、Gre(ギリシャ)をみてみましょう。
ヨーロッパの火薬庫の異名をもつバルカン半島は、オーストリア=ハンガリー、ロシア、オスマントルコが激しくぶつかる激戦地です。
またイタリアが序盤から介入してくることも警戒しなければなりません。
重要なエリアであるBla(黒海)をめぐる攻防も含めて、ミスの許されないエリアが集中しています。
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緩衝地帯にも気を付けましょう
その他にも気を付けておきたいエリアがあります。
初期配置で、他国同士のユニットが隣接しているのは、イタリアのVen(ヴェニス)陸軍とオーストリア=ハンガリーのTri(トリエステ)海軍です(「未回収のイタリア」問題ってやつでしょうか)。
ここは1901年春ターンから両国が協議しないわけにはいかないエリアとなりますが、逆にいえば、それ以外のユニットは他国同士で隣接していないということです。
これら中間にあるエリア(勝手に「緩衝地帯」と呼んでいますが)も外交と軍事行動の焦点となってきます。
Pru(プロシア)、Sil(シレジア)、Boh(ボヘミア)、Gal(ガリシア)、Tyr(チロル)、Pie(ピエモント)、Bur(ブルゴーニュ)にいつどこの国が侵攻してくるのか、中立の補給都市の占有を優先していたら、本国の補給都市が侵攻されそうになるといったピンチに陥ることもありますので、緩衝地帯の動向は細心の注意を払う必要があります。
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さいごに
今回は、ユニットの初期配置と中立の補給都市や激戦地、緩衝地帯について、ご説明してきました。
初期配置では軍事力はほぼ均衡していますので、これらをどのように処理していくかは、各プレーヤーの外交官としての腕の見せ所です。
各国と協議をし、ときには妥協しつつ、どれだけ自国に有利な条件を勝ち取れるかを戦略的に交渉してください。
次回は、その交渉の場である、外交フェイズのお話です。
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